かつては鑑識課で、犯人の似顔絵を描く「似顔絵警察官」だった彼女だが、
ある失敗を犯し、警察の体裁という名の下にその職をはずされる。
そんな彼女が色々な事件にかかわり、さまざまな人たちに触れながら、
警察官として人間として一歩一歩成長していく・・・というストーリー。
内容は、
プロローグ
魔女狩り
決別の春
疑惑のデッサン
共犯者
心の銃口
エピローグ
すべて彼女が主人公で、一事件ごとに完結する構成になっている。
警察の内部についてかなり踏み込んで書いているので、
全体的には重くて堅い印象があるんだけど、
横山さんの話には必ずドラマチックで人間くさい伏線が隠されている。
だから好きなのです、横山さん♪
絶望的な状況になっても、救いようのない事態が発生しても、
横山さんは最後に何かしらの形で救ってくれる。
だからどんなラストでも、後味が良いの。
今回の作品で警察の内部を描いている根底にあるのは、男社会。
「だから女なんていらねえんだ」と堂々と言ってしまう周囲に囲まれて
「女」である瑞穂は仕事をしている。
いつも危険と責任感に直面している世界。
時には権力や腕力も必要なときも出てくるだろう。
そんな世界で女性はどんな役割を果たしていくのだろうか。
考えたことがなかっただけに、
瑞穂の奮闘ぶりにあれこれ思いをめぐらせてしまった。
瑞穂さんは大変清々しい女性です。
気持ちがまっすぐなだけに、人一倍傷つくのかな。
作者の横山さんは女性よりは男性の心理を書くのが上手だと思うけど、
今回の瑞穂さんはなかなかがんばっていらっしゃいます^−^
私の一番のお気に入りは、「疑惑のデッサン」。
瑞穂の後任として似顔絵警察官に入った後輩が、
またもや瑞穂と同じ屈辱を味わせられようとしている。
それを止めようとする瑞穂のひたむきさが、一番光ってると思う。
ミステリーと人間ドラマが両方味わえます♪
顔
著者名:横山秀夫(著)
出版社:徳間書店
出版年:2002.10
ISBN :4198615861

