作家の堀田あけみさんは、25年前に「アイコ16歳」で文藝賞を取った作家だ。
東京で再会した悠子と一希。
8年前大学生だった一希は、当時高校1年生の悠子の家庭教師だった。
優子という彼女がいる29歳の一希が、二人のユウコの間で心揺れる。
恋人のいる人をずっと思いつづけてきた悠子は、愛人になる道を選んだ。
というストーリー。
で、感想ですが。
堀田あけみさんファンの人ごめんなさい。
正直、途中で読むのやめようと思った本でした(−−)
なぜかというと、登場人物の誰にもまったく共感できないんだもの!
あ、今回は珍しく、ネタばれありありです。
(もう10年以上も前の小説だからいいよね^−^)
そもそもね、なんか気持ちがきれい過ぎると思う。
まあ悠子の方は百歩譲って良しとしましょう。
高校生のころから思いつづけてきた人なんだから。
自分の複雑な家庭環境を知っていて、唯一自分の気持ちを見せられる人なんだから。
でもね、一希はどうでしょうか。
悠子に惹かれるのは良し(倫理的には良しではないけど)としても、
恋人を取るか切るかについてはもっとドロドロした感情があるのが
普通じゃないんだろうか。
もっと打算とか保身とかがあるもんなんじゃないだろうか。
何が一番共感できないかというと、
一希が恋人の優子とはまったく別れる気がないということと(悩む様子すらない)、
悠子との関係を「純粋なものなのだ」と断言してることだ。
ちゃっかり手出してるくせに。
「けっ」と言いたくなるくらい卑怯な男だこと(−−)
で、「純粋」だという二人の関係も、私は腑に落ちない。
悠子にしてみれば、自分の心の闇を一希に打ち明けられるわけだから、
一希を必要とするのもわかる。
(とはいえ、悠子は一希の前に婚約者がいて、婚約破棄された過去をもつのだが、
それを「自分が一希を忘れられないまま婚約したんだからその罰だ」と言い、
一希の二番目の女になることを
元婚約者にした仕打ちの罪滅ぼしだと考える悠子の考え方も
なんだかイラつくけど(−−;;))
一希はどうかというと、そんな悠子の悩みを聞いて「あげる」という態度なのだ。
しかも、
「俺にはいつでも言っていいんだよ」「俺の前では強がるな」みたいな
男らしい態度をとっておきながら、
自分はちゃっかり彼女とデートしてるんだから、
それを「優しさ」っていうのか?とはなはだ疑問。
しかもそんな一希を「優しい人」って言っちゃう悠子もどうかと・・・。
彼女に嫉妬しながら、一希が彼女と別れるのは彼女を不幸にすることになるから、
と言って自分は愛人になっちゃうのだ。
なんていうか・・・・。それは違うんじゃないですか?と激しく問いたい。
というわけで、小説にこんなにグチグチ言うのも自分でどうかと思うんですが^^;;
我慢して最後まで読んだ分、言わせてくださいな♪
あ、そういえば、最後で唯一共感できる部分が。
一希が初めてこの言葉を言う。
「俺は、卑怯だ。」
そう、あなたは卑怯です!
愛をする人
著者名:堀田あけみ(著)
出版社:角川書店
出版年:1992.11
ISBN :9784041852019

