普通事件というと、犯人と被害者当人に目が行きがちだけど、
この作品では周囲の人たちに視点を変え、描いている。
内容は、
真相・・・・息子を殺され、10年後に犯人逮捕の知らせを聞いた家族。
でも逮捕とともに事件の真相も明らかにされる。
18番ホール・・・・周囲に請われ、安定した職を捨てて村長選に臨んだ男。
「18番ホール」への執着と、
背水の陣である精神緊迫状態が自体を思わぬ方向へ。
不眠・・・・リストラされて自信を失った男。
不眠に悩まされ夜中町を徘徊していた男が見た状況が、
事件を動かしていく。
花輪の海・・・・大学時代の苦い過去を忘れようとしている男が、
1本の電話をきっかけに記憶を呼び覚まされる。
他人の家・・・・刑期を終えて社会に戻った男とその妻の現実生活を描いている。
ざっと書くとこんな感じかな。
内容がミステリアスだと、
どうもあらすじまでミステリーチックな語り口調になってしまう^^;;
で、感想。
おもしろい!!!
内容を見てわかると思うけど、横山さんの書く作品の主人公はいつも男性だ。
男の葛藤、プライド、見栄、劣等感、弱さ、脆さ。
すべてが凝縮された話ばかりだ。
近年女性の心理を見事に緻密に描く作家さんはとても多く見られるけど、
横山秀夫さんは、男性の心理を緻密に書き上げる。
女性の私からは想像できないような細部にまでペンを走らせている。
ストーリーのおもしろさに加え、登場人物にも感情が入り込んでしまう。
そしてこの人の書く文章には、なぜかいつも涙が出そうになるのよね〜
涙の理由は、
男性の悲哀、追い込まれた精神状態、それでも現実に向き合おうとする痛々しさ。
それらがリアルに心に響く感じがする。
そしていつもラストに状況が動くので、
ラストに向けて緊迫感をもって読むことができる。
横山さんの本は男性はもちろん、女性にもとにかくオススメです。
真相
著者名:横山秀夫(著)
出版社:双葉社
出版年:2006.10
ISBN :4575511005

