2006年10月12日

桐野夏生 「顔に降りかかる雨」

この後に続く「村野ミロシリーズ」のプロローグ的作品。


主人公ミロの親友が、恋人の闇の金1億円とともに姿を消した。
1億円を取り返したい暴力団に疑いをかけられたミロと親友の恋人が、
お互い不信感や疑惑をもちながらも、協力して解明に動き出す。
というお話。


最近のミステリーに多いと思うんだけど、
本線であるミステリーに加えて、登場人物の人間関係が緻密に描かれている。
この作品の場合は、主人公ミロと失踪した親友の恋人、成瀬の関係だ。

お互い種類の違う暗い過去を持ち、
その過去がわかるたびに疑ったり憎んだり親しみを感じたり、と
関係が微妙に変わっていく。
お互いに失踪した親友と共謀してるんではないかという疑念が交錯しながら、
くっついたり離れたりする関係にも注目するともっと楽しめると思う。


そしてもう一つの関係はミロと親友耀子の関係。
最初は親友耀子が人の金を持ち逃げするはずがない、
とまったく疑っていなかったミロが、
隠された事実を暴いていくうちに親友が自分に見せていなかった内面を知り、
疑いの目で親友を見るようになっていく。


ネオナチやボンデージ、死体愛好、と衝撃的な話を絡めながらのストーリー。
ミステリーとしてはおもしろいし、
それほど状況が混み合ってもいないので一気に読めると思う。
でもけっこうどんより系ミステリーかも^−^;;


顔に降りかかる雨

著者名:桐野夏生(著)
出版社:講談社
出版年:1996.07
ISBN :4062632918

posted by izura at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 作者−か行
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