警察官が殺人を犯すという非常事態に陥った警察機関のホンネとタテマエ、
そして空白の時間をそれぞれの立場、思いから追求していく、
刑事、検事、弁護士、裁判官など。
それらが絡み合っていて被疑者の思いに近づく。
構成も、登場人物それぞれをたくみに描写した6章からなっている。
それぞれの立場から違う角度で被疑者を見つめる、という構成は、
私は読んだ経験がなかったので新鮮だった。
最初は警察の業界用語や組織の複雑さが出てくるので、
お堅い本なのかと思ったけど、
少しずつ登場人物に慣れ始めるころには、夢中になって読んでいた。
読み終わると、感動が胸に染み渡る感覚になった。
止むに止まれず妻を殺した警察官が
どんな思いで空白の2日間を過ごし、
どんな思いで出頭して取調べを受け、
どんな思いで法の裁きを待っているのかが、少しずつ紐解かれる。
それぞれの人物が仕事で割り切らなければならない部分と本音の部分で葛藤するのも、
とても共感できた。
そして、空白の2日間の謎、被疑者の思いがわかったとき、
何ともいえぬ余韻がじわわーっときた。
映画もまた秀逸。
でも行間にこめられたモノに思いをはせるには、やはり本が一番だと思う。
横山秀夫さんは緻密な場面描写がすばらしい!
胸が熱くなる作品です^−^
半落ち
著者名:横山秀夫(著)
出版社:講談社
出版年:2005.09
ISBN :4062751941

