2006年09月28日

船山馨 「お登勢」

邦画「北の零年」の原点とも言うべき作品。
数年前に、NHKで沢口靖子の主演でドラマ化もされた。


主人公はもちろん「お登勢」。
江戸幕末の混乱期に藩士の家に仕えていた奉公人「お登勢」が、
初恋の若い藩士との身分違いの恋に悩みながらも信念をもって力強く生き、
明治維新後は北海道に渡って開拓に苦労しながらも強く生きていく、
というストーリー。


私はそのドラマを先に見たんだけど、
ストーリーもおもしろい、ユーモアも随所にあり、
幕末の混乱期(新撰組や倒幕運動の流れも描かれている)もわかり、
色恋もあり、最後はとても頼もしい終わり方だった。


で、さっそく原作が読みたくなり、分厚い本にもめげず読んだ。
・・・ラストがドラマと違う!
ドラマには続きがあったのです。


原作もとても読みやすい文体で、
時代小説が大の苦手な私でも一気に読み進んだ。

やはり輝いているのは、けなげに愛に生き、
時代にもまれながら決してくじけず動乱期を生きた「お登勢」。

もう1人、この作品には力強い女性が描かれている。
それはお登勢が仕えていた藩士の娘、志津。
志津は、お登勢の初恋の相手の藩士と一度結婚するが、時代の流れで離婚、
その後明治新政府で頭角を現すだろう期待株の華族と再婚する。

女が1人で生きられない時代に、
自分で夫を選びつつ自分の生き方をしていくという強い女性だ。


この2人が対照的なラストを迎える。


後半は開拓移民として渡った北海道・静内町での暮らしが描かれている。
平民に降下した元藩士である初恋の人と結婚したお登勢は、
彼とともに未開の大地に足を踏み入れ、開墾に明け暮れる。

私は北海道出身なので、開拓の様子は感慨もひとしおだった。

ラストはとても悲しい。
でも悲しさの中にお登勢の強さがまたも光る終わり方だった。
でも正直、「原作読まなきゃよかった・・・」と思わせるほどのドラマとは
真逆のラストでした^−^;;

お登勢 改版

著者名:船山馨(著)
出版社:角川書店
出版年:2001.05
ISBN :404129701X

posted by izura at 14:23| Comment(0) | TrackBack(2) | 作者−は行
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